2011年6月4日土曜日

紫雲膏

紫雲膏(しうんこう)は、皮膚病に効果があるとされている漢方薬。

中国の明代(1368年 - 1644年)に珍実功が著した「外科正宗」に記載されていた潤肌膏をもとに、江戸時代の医師・華岡青洲(1760年 - 1835年)が創案した軟膏であり、ひび・あかぎれ・しもやけ・魚の目・あせも・ただれ・外傷・火傷・かぶれなど、膿や滲出液の少ない皮膚症状に適用される。

潤肌膏は紫根、当帰、胡麻油、黄蝋という四味から構成された軟膏。
潤肌膏に豚脂を加えてつくったのが紫雲膏。


Wikiより紫雲膏の処方例
 胡麻油(ゴマユ) 100.0
 紫根(シコン) 10.0
 当帰(トウキ) 10.0
 黄蝋(オウロウ。蜜蝋のこと) 38.0
 豚脂(トンシ) 2.5

日本薬局方に記載されている分量。
 胡麻油(ゴマユ) 1000g
 紫根(シコン) 120g
 当帰(トウキ) 60g
 蜜蝋(ミツロウ) 340g
 豚脂(トンシ) 20g


作り方
1.胡麻油約140~180度で1時間くらい煮立てる。
2.蜜蝋、豚脂を入れ溶かす。約140度で20分加熱。
3.当帰を入れ約140度で20分間。当帰を取り出す。
4.約140度、紫根を入れすぐに火を止める。紫根を取り出す。
5.ガーゼで漉し、自然冷却して固める。
6.固まったらよく練る。


潤肌膏は胡麻油に紫根と当帰をいれ煮た後に漉して蜜蝋を加えるらしい。

2つを比べると紫根と当帰の割合が違う。
華岡青洲自身は書籍を残していないので、実際の処方は不明らしい。


一般的にクリーム(軟膏/バーム)は油:蜜蝋=4~5:1
それに比べれば、ずいぶん蜜蝋の量が多い。
作り方の最後の工程、練るをしなければ大変硬く使いにくいだろう。練ることで光沢、粘りのあるものに仕上げるようだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿